社貝人の独り言

アニメや漫画、小説やゲームといったコンテンツ事業のアドバイザー活動のかたわら、聖地巡礼の企画コーディネーターとして複数の現場に関わっています。

聖地は挑戦の場ではないということ

私のもとには地域で観光情報の発信をされている活動家の方や、聖地巡礼を趣味として活動されている個人の方からの相談をよく受けます。

 

皆さんの熱意に心から敬意を表します。

ご相談頂けただけでも感謝しかありません。

 

そのうえで最初にお伝えしておきたいのは、聖地巡礼イベントを皆さんにとって挑戦の場所として捉えているのであれば、それはすぐに手を止めて、業界の知識や他県での失敗事例を集めることに取り組んでください。

 

アニメや漫画、小説といった作品(コンテンツ)は地域が作り上げたものではありません。アニメに関しては制作だけで何億というお金と何百人という方々の努力によって成り立っているものです。そういった作品がどういう仕組みで作り上げられているのか、製作委員会の仕組みや版権の知識などを学ぼうとせずに、ファンだから、好きだからという認識で作品を使って聖地巡礼イベントに挑戦しようというのはあまりに無策のように感じます。

 

聖地巡礼イベントは、作品をお借りして地域で大切に活用して取り組むものです。作品へのリスペクト(愛や興味関心)だけでは全く足りません。ましてや皆さんの個人的なチャレンジのために作品があるわけではありません。自治体からの予算は税金なんだと実感してください。

 

まずは専門知識を身に付けてください。もしくは詳しい方からとことん学んでください。

 

聖地巡礼イベントを企画するからには失敗は絶対にあってはならないという責任感を持って取り組んでください。

 

そのためにも、自治体だけ、事業者だけで、経験も実績もない状態で取り組むことがどれ程のリスクと、結果としてマイナスの影響を作品に与えてしまう可能性があるのかを考慮していただければ幸いです。

 

今このように個人として全国で活動しているのは、これだけ作品の舞台となった地域があるにも関わらず、他県での成功事例や失敗事例を集めようともせずに取り組んでいる団体が多すぎること、ファンの方に満足して楽しんで頂けるイベントが少な過ぎると感じてしまったからです。

 

今回はあまりポジティブな内容ではありませんてしたが、読んでいただいた方が周りからの知識や経験、猫の手を借りてでも必ず成功させるんだという認識を改めて持って頂けたのであればお伝えした意味はあったと思っています。

 

皆さんの努力と熱意で聖地巡礼イベントは成り立っています。改めて皆様のお力添えに心から感謝申し上げます。

 

ありがとうございます。

 

聖地巡礼企画コーディネーター 社貝人